貸倒引当金の繰入限度額は、貸倒れの可能性が高い「個別評価金銭債権」と通常の貸倒れが見込まれる「一括評価金銭債権」とに区分して計算しますが、このうち一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入限度額の計算は、「貸倒実績率」による方法(原則)と「法定繰入率」による方法(中小法人の特例)があります。
「法定繰入率」による方法は中小法人に限られ、この場合の中小法人とは、期末資本金1億円以下の法人(期末資本金が5億円以上の大法人による完全支配関係がある法人を除く。)をいいます。
法定繰入率による繰入限度額の計算式
一括評価金銭債権に係る繰入限度額は、次の算式により計算します。
( 一括評価金銭債権 ー 実質的に債権とみられないものの額 )× 法定繰入率
法定繰入率
繰入限度額の計算で使われる法定繰入率は、法人が営む主たる事業の区分によって5種類の率があります。
業種 | 繰入率 |
卸売業・小売業・飲食店業 | 10/1,000 |
製造業・電気業 | 8/1,000 |
金融業・保険業 | 3/1,000 |
割賦小売業および割賦購入あっせん業 | 13/1,000 |
その他(建設業を含む) | 6/1,000 |
2以上の事業を兼業する場合の法定繰入率はこちらをご覧ください。
法定繰入率の業種判定・2以上の事業を兼業する場合の判定方法
中小法人※の貸倒引当金の繰入限度額の計算については、「法定繰入率」による方法が認められています。 ※中小法人とは、期末資本金1億円以下の法人(期末資本金が5億円以上の大法人による完全支配関係がある法人を除く。)をいいます。 法定繰入率による...
法定繰入率と貸倒実績率の有利選択
法定繰入率による特例計算と貸倒実績率による原則計算は、事業年度ごとに選択適用することができます。