賞与の支給月に社員が退職する場合、退職日が月末かそれ以外で社会保険料の徴収の要否が変わってきます。これは、資格喪失日が退職日の翌日であることから、月末退職とそれ以外の場合で資格喪失月に1ヶ月のズレが生じるためです。
退職日が月末の場合
社会保険料の徴収は、資格喪失日(退職日の翌日)の属する月の前月分まで行われます。
例えば、賞与支給日が3月15日で、被保険者が3月31日付けで退職した場合、資格喪失日は4月1日となります。資格喪失日の属する月(4月)の前月、すなわち3月までに支払われる賞与については、社会保険料を徴収しなければなりません。
退職日が月末以外の場合
一方、賞与支給日が3月15日で、被保険者が3月20日付けで退職した場合、資格喪失日は3月21日となります。資格喪失日の属する月(3月)の前月、すなわち2月までに支払われる賃金・賞与が社会保険料の徴収の対象となるので、3月に支給される賞与については社会保険料はかかりません。
月末以外の退職の場合、保険料がかかりませんので賞与支払届の提出は不要かと思われますが、健康保険においては年度間の累計額に上限額(573万円)があり、資格喪失日の前日までに支給された賞与について上限を計算する上での累計額に含める必要があるので、賞与支払届は提出しなければなりません。
健康保険料の上限額については、下記のページをご覧ください。

賞与にかかる社会保険料はいくらまで?標準賞与額の上限額と社会保険計算上の注意点
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