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退職所得とは?所得金額と課税方法

2019.08.25

所得税は、個人が得た所得を10種類に区分して、その所得の態様や性質を考慮しそれぞれに見合った税金の計算をすることとしています。

10種類に区分した所得のうち、退職所得について説明します。

  1. 退職所得とは
    1. 退職所得となるもの
    2. 退職所得とならないもの
  2. 所得金額の計算
    1. 収入金額
    2. 退職所得控除額
  3. 退職所得の課税方法

退職所得とは

退職所得とは、勤務先から受ける退職手当、一時恩給、その他の退職により一時に受ける給与等に係る所得をいいます。

なお、退職手当とは、従業員等が退職のときに在職中の勤務に対する報酬として勤務先から支給される一時的な収入をいい、一時恩給とは、恩給法の規定により公務員が3年以上勤務して普通恩給を受けることができる年限に達しないうちに退職する場合に支給される給与をいいます。

退職所得となるもの

・社会保険制度などに基づいて支給される一時金、退職共済制度に基づいて生命保険会社又は信託会社から支給される退職一時金などは、勤務先から支給されるものではありませんが、過去の勤務に基因して支給される点では退職手当等と同様であるため、退職手当等とされます。

・賃金の支払の確保等に関する法律の規定により退職者が弁済を受ける未払賃金も退職所得に該当します。

・労働基準法の規定により雇用主が予告をしないで解雇する場合に支払われる解雇予告手当

退職所得とならないもの

次のような所得は、退職所得に該当しません。

・退職金を定期的、継続的に年金で受ける場合は、雑所得となります。

・死亡により相続人が受け取る死亡退職金などは、相続税が課税されます。

所得金額の計算

退職所得の金額は、次の算式で計算します。

所得金額 = (収入金額 − 退職所得控除額) × 1/2 (千円未満端数切捨)

ただし、役員等としての勤続年数が5年以下(1年未満切り上げ)である人が、その役員等勤続年数に対応する退職金を受けとる場合は、退職金の額から退職所得控除額を差し引いた額が課税退職所得金額となります。上の算式の1/2計算の適用はありません。

所得金額 = 収入金額 − 退職所得控除額(千円未満端数切捨)

収入金額

退職手当等は、支払いを受けるときに所得税や住民税が源泉徴収(天引き)されていますので、手取り額に差し引かれた源泉徴収税額等を加算します。

収入金額 = 手取り金額 + 源泉徴収税額

なお、確定給付企業年金規約に基づいて支給される退職一時金などで、退職金受取人が負担した保険料等がある場合には、その支給額から自己が負担した保険料等の金額を差し引いた残額を収入金額とします。

退職所得控除額

収入金額から差し引かれる退職所得控除額は勤続年数に応じて次の算式によって計算します。

勤続年数退職所得控除額
a20年以下の場合40万円×勤続年数(80万円に満たない場合は80万円)
b20年超の場合800万円+70万円×(勤続年数-20年)
c障害退職の場合AまたはBによる計算+100万円

※勤続年数は1年未満の端数は1年に切り上げます。

 

税金の計算について詳しくはこちらをご覧ください。

退職金にかかる所得税・復興特別所得税・住民税の計算方法
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退職所得の課税方法

退職所得は、他の所得とは総合せず、別個に退職所得の金額に超過累進税率を乗じて所得税額を計算する分離課税となります。

源泉徴収税額は、原則として確定申告により精算されますが、「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出しているかどうかによって取扱いが異なります。

申告書の提出あり・・・確定申告不要(所得が少ない場合には、確定申告をすることで還付を受けられることがあります。)

申告書の提出なし・・・確定申告が必要

 

詳しくは、こちらをご覧ください。

退職金を受け取ったときの確定申告について(所得税・住民税)
会社を退職したときに退職金等をもらった場合、この退職金について確定申告をする必要はあるのでしょうか? 確定申告が不要なケース 退職所得は分離課税です。一般に退職金を受け取る時までに会社に「退職所得の受給に関する申告書」を提出し、それをも...
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目次

  1. 退職所得とは
    1. 退職所得となるもの
    2. 退職所得とならないもの
  2. 所得金額の計算
    1. 収入金額
    2. 退職所得控除額
  3. 退職所得の課税方法
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