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雇用保険被保険者離職証明書の書き方・記入例と手続き方法

「雇用保険被保険者離職証明書」とは、退職した従業員が失業等給付を受給する手続きに必要な離職票を発行するために、事業主が作成する書類です。

従業員に離職票の交付を求められたときや59歳以上の従業員が退職するときは、事業主は雇用保険被保険者離職証明書をハローワークに提出する必要があります。

 

用紙の準備

離職証明書の用紙は、ハローワークで入手できます。ハローワーク窓口に書類を用紙で提出する場合は、3枚複写の専用用紙を使用しますので、インターネットでエクセルなどをダウンロードすることはできません。

 

e-Gov(イーガブ)で電子申請することも可能です。

 

離職証明書の様式

複写式の3枚綴りになっています。

1枚目・・・離職証明書(事業主控)
2枚目・・・離職証明書(安定所提出用)
3枚目・・・離職票ー2

 

手続きが完了すると、1枚目の「事業主控」と3枚目の「離職票ー2」が戻ってきますので、「事業主控」は事業所にて保管し、「離職票ー2」については退職する従業員に渡します。

 

離職証明書の書き方

3枚複写になってますので、1枚目の「事業主控」に記入します。⑮欄と⑯欄の離職者の署名については、2枚目の「安定所提出用」に記入してもらいます。

各欄の記入事項

① 被保険者番号

退職する従業員の雇用保険被保険者番号を記入します。

 

② 事業所番号

雇用保険適用事業者の事業所番号を記入します。

 

③ 従業員氏名

退職する従業員の氏名とフリガナを記入します。

 

④ 離職年月日

原則として最終在職日または退職日を記入します。資格喪失届に記入した離職年月日と同じ日になります。

役員就任した場合には、役員就任日の前日となります。

 

⑤ 事業所・事業主

事業所の名称・所在地・電話番号、代表者の住所・氏名を記入します。

 

⑥ 離職者の住所又は居所

退職する従業員の住所・電話番号を記入します。

退職時点で従業員から住所変更の申し出があった場合は、変更後の住所を記入します。

 

⑦ 離職理由

退職者の離職理由に該当するものを「離職の理由」の中から選び、その左欄の「事業主記載欄」の該当する□に○を記入し、「具体的事情記載欄」に離職に至った原因とその経過等の具体的事情を記入します。
離職理由として該当するものがない場合には、「その他(1~5のいずれにも該当しない場合)」の欄に具体的に理由を記入します。
離職者と連絡がつかないなどのやむを得ない場合を除き、退職する日までに離職者に見せ、離職者に⑯欄(離職者の判断)の該当する事項に○を記入の上、退職する従業員に必ず署名をしてもらいます。

 

⑧ 被保険者期間算定対象期間

離職した被保険者の種類により、一般被保険者または高年齢被保険者として離職した方の場合はⒶ欄に、短期雇用特例被保険者として離職した場合にⒷ欄に記入します。

 

A欄 一般被保険者等

「離職日の翌日」には、④欄の翌日の日付を記入します。

下の各欄には離職日から1ヶ月ずつ遡って、⑨欄の日数が11日以上の完全月が通算して12ヶ月になるまで記載します。

記載欄が足りない場合には、新しい離職票の用紙を使用します。

 

B欄 短期雇用特例被保険者

離職日の属する月から被保険者となった日の属する月までの各月を順次遡って記入します。

 

⑨ ⑧の期間における賃金支払基礎日数

⑧欄の期間における賃金支払いの基礎となった日数を記載します。半日出勤など所定労働時間を勤務しなかった場合でも1日として計上し、有給休暇・休業手当などの対象となった日も含めます。

賃金支払基礎日数が10日以下の期間については、その期間の労働時間数を⑬の備考欄に記入します。

 

⑩ 賃金支払対象期間

離職日の直前の給与締日の翌日から離職日までの期間を記入し、以下遡って給与締日の翌日から給与締日までの期間を記入します。

⑪欄の基礎日数11日以上の完全月を6ヶ月分以上記入する必要があります。

 

⑪ ⑩の基礎日数

⑩欄の期間における賃金支払いの基礎となった日数を記載します。半日出勤など所定労働時間を勤務しなかった場合でも1日として計上し、有給休暇・休業手当などの対象となった日も含めます。

賃金支払基礎日数が10日以下の期間については、その期間の労働時間数を⑬の備考欄に記入します。

賃金締日以外の離職の場合は、⑧被保険者期間算定対象期間・⑨日数と⑩賃金支払対象期間・⑪日数は同一ではありません。

 

⑫ 賃金額

Ⓐ欄には固定給、Ⓑ欄には日給もしくは時間給による賃金額を記入します。日給・時給であっても月固定で支払われる手当等がある場合にはⒶ欄に記入します。

ここに記載する賃金については、月給、週給など賃金の主たる部分が月・週その他一定の期間によって定められている場合には、交通費である通勤手当、残業代である時間外手当等を含め、その月の賃金のすべてをⒶ欄に記入します。

計算欄は、Ⓐ欄とⒷ欄の合計額を記入しますが、いずれかの記載だけの場合は省略することができます。

 

⑬ 備考

・⑨欄の日数が11日以上の完全月が通算して12ヶ月以上(高年齢被保険者及び短期雇用特例被保険者の場合は6ヶ月以上)ない場合、または、⑪欄の日数が11日以上の完全月が通算して6ヶ月ない場合は、⑨欄及び⑪欄の基礎日数が10日以下の期間について、その期間における賃金支払の基礎となった労働時間数を記入します。

・欠勤、賃金未払、賃金締切日変更、休業手当の支払いがあった場合等に、参考となる事項を記入します。

 

⑭ 賃金に関する特記事項

毎月支払われる賃金以外で3ヶ月以内の期間ごとに支払われる特別な賃金がある場合に、その賃金の支給日・名称・支給額を記入します。

 

⑮ 離職者の署名(安定所提出用)

退職する従業員に離職証明書の⑦欄を除く内容を確認してもらい、記載内容に相違がない場合に従業員本人が署名をします。やむを得ない事情で、従業員本人の署名が難しい場合は、その旨を記載します。

 

⑯ 離職者本人の判断(安定所提出用)

⑦欄の解雇理由に異議がないかどうかを丸で囲み、⑮欄と同様に退職する従業員が署名します。

離職証明書の⑮欄と⑯欄については、退職する日までに必ず署名をもらうようにしましょう。

 

離職証明書を記載する時点で離職月の賃金計算ができない場合

⑬欄の備考に「未計算」と記載することができます。

 

通勤手当等が数か月分一括支給された場合

その月数で割った額を各月に振り分けて記載します。端数が出た場合は、最後の月で調整します。

【例】交通費3ヶ月分(4~6月分)50,000円を6月にまとめて支給した
50,000円÷3ヶ月=16,666.66…円
4月 16,666円
5月 16,666円
6月 16,668円

 

賞与手当について

雇用保険の失業等給付の算定の基礎となる賃金について、「臨時に支払われる賃金」および「3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金」は含まれません。したがって、年間を通じての支給回数が3回以下の賞与(夏季賞与・冬季賞与など)は賃金から除かれます。

 

賃金支払状況等の記入例(見本)

月給制(正社員など)

【例】一般被保険者 支給形態:月給制 給与締日:月末 退職日:7月10日

離職証明書(月給制)の記入例・見本

通勤手当、残業手当も固定給と合わせてⒶ欄に記入します。

月の途中で退職し、日割り計算や欠勤控除した場合もⒶ欄に記入します。

 

月給制の⑨欄および⑪欄の賃金支払基礎日数の数え方については、こちらのページをご参照ください。

月給制の離職証明書の賃金支払基礎日数の書き方。欠勤や休日出勤がある場合の数え方
雇用保険被保険者離職証明書の⑨欄および⑪欄の「賃金支払基礎日数」とは、その賃金の支払いの対象となっている日数のこといいますが、事業所の給与制度の違いによって、同じ月給制であっても基礎日数の数え方は異なります。まず、事業所の賃金計算がどのよう...

 

時給制(パート・アルバイトなど)

【例】一般被保険者 支給形態:時給制 給与締日:月末 退職日:7月10日

離職証明書(時給制)の記入例・見本

時給制の賃金額については、Ⓑ欄に記入します。

交通費・通勤手当については、勤務日数により変動する場合はⒷ欄、固定の場合はⒶ欄に記入します。

 

添付書類

離職証明書の提出時に賃金額や出勤日数、離職理由などが確認できる下記の書類の添付を求められることがあります。

管轄のハローワークによっても異なりますが、離職者本人の都合による退職の場合は離職証明書に記載された賃金額・出勤日数が確認できる書類であれば基本的には問題ありません。

 

【添付書類の例】

  • 賃金台帳
  • 出勤簿
  • 雇用契約書の写し(契約期間満了による退職の場合)
  • 就業規則の写し(定年退職等の場合)
  • 離職理由を確認できる書類(特定受給資格者・特定理由離職者に該当する場合)
  • 労働基準監督署による解雇予告除外認定の写し(懲戒解雇の場合)

 

提出期限と提出場所

退職日(被保険者資格喪失日)の翌日から10日以内に事業所の管轄のハローワークへ提出する必要があります。