ある労働者の基本給や時給などの賃金または所定労働時間が変わり、その労働条件が変わる前に発生した年次有給休暇について、変わった後に取得することとなった場合、年休計算は変更前それとも変更後の賃金・所定労働時間をもって行うのでしょうか?
賃金および所定労働時間について
昇給などにより賃金額の変更をした労働者については、賃金の変更前に付与された年次有給休暇を取得したとき、ベースとなる賃金は、実際に取得する日における労働契約による賃金額をもって計算することになります。
また同様に、所定労働時間を変更した場合についても、実際に取得する日における労働契約で決められた労働時間によって年休計算をします。
例えば、単に所定労働時間の変更だけでなく、パートタイマーから正社員に身分を変更したときなどにも同じことが言え、パートタイマーのときに付与された年次有給休暇を正社員となったときに取得する場合も、正社員の労働条件に基づいた賃金および所定労働時間によって年休の賃金を支払うことになります。
年次有給休暇の実際の計算例
例:×1年4月1日の基準日に付与された有給休暇を×1年11月1日に取得した。
※就業規則で年次有給休暇中の賃金を「所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金」としている。
【変更前:〜×1年9月31日】
賃金:1時間あたり1,200円
所定労働時間:7時間
【変更後:×1年10月1日〜】
賃金:1時間あたり1,400円
所定労働時間:8時間
有給休暇の権利が発生した基準日においては変更前の労働条件ですが、実際に取得した日は変更後となるので、変更後の賃金と所定労働時間をもって年休の賃金を支払うことになります。
したがって、×1年11月1日の年次有給休暇中の賃金は、
⇒1,400円×8時間=11,200円
となります。
有給休暇を取得した日において、通常の出勤をしたと仮定した場合に支払われるべき金額を年休の賃金と考えればよいのです。
