役員や従業員に対する個人住民税は、納付の方法には、普通徴収と特別徴収があります。
普通徴収は、個人住民税の納付書が納税者本人の居所に届き、自分で住民税を納めることになりますが、特別徴収の場合、給与を支給している会社が個人に代わって納付します。
個人住民税の仕組みと流れ、会社がすべきことについて説明します。
1)給与支払報告書の提出
個人住民税は、1月から12月までの1年間の所得に対して課税され、翌年の6月から納付します。
まず、従業員に給料を支払っている法人や個人事業者は、従業員ごとに前年の1月から12月までの給料を記載した「給与支払報告書」を、1月31日までに従業員の住んでいる各市区町村へ提出します。提出する市町村は、12月31日現在の従業員の住民票の住所です。
市区町村は、この給与支払報告書に記載された所得に対して、住民税を計算し、納付税額を決定することになるのです。
2)「特別徴収税額通知書」の送付
市区町村は、提出された「給与支払報告書」や「所得税確定申告書」に基づき個人別の住民税額を計算し、前年12月31日に在職している会社へ「特別徴収税額通知書」を送付します。
3)給与から天引き
事業主は、「特別徴収税額通知書」に記載されている金額を従業員の給与から預かり(天引き)ます。
前年の所得に基づき計算された住民税は、当年6月から徴収をはじめます。
「特別徴収税額通知書」には、6月から5月までの12ヶ月分の月割額が記載されていますので、6月分の住民税は、6月支払分の給与で天引きします。(6月分給与ではないことにご注意ください)
「特別徴収税額通知書(納税義務者用)」は、各従業員へ渡してください。
4)住民税の納付
従業員から預かった住民税は、会社が代わって納付します。
住民税の納付期限は、翌月10日です。(10日が土曜の場合は12日、日曜の場合は11日になります)
例えば、6月支払分給与で天引きした6月分の住民税は、7月10日までに納付します。
納付書は、同じ市区町村に住む従業員全員分がまとめられていますので、納付書は各市区町村につき1枚です。
特別徴収は、原則として年12回毎月の納付ですが、従業員が常時10人未満の事業主に限り、6ヶ月分ずつ年2回(6月、12月)で納付できる「納期の特例」を受けることもできます。
この制度を受けるには、従業員の住む市区町村に「特別徴収税額の納期の特例に関する申請書」を提出し承認を受ける必要があります。
仕訳については、こちらをご参考ください。