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賞与を支給するときの社会保険料・源泉所得税の計算方法

従業員が社会保険や雇用保険に加入している場合、賞与からは毎月の給与のように、次の社会保険料・所得税などが控除(徴収)されます。

  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料
  • 雇用保険料
  • 源泉所得税

ただし、賞与を支給するときその手取り額の計算方法は、毎月の給与計算と異なります。

 

賞与手取り額の計算方法

賞与の支給額を計算するにあたっては、前月に支払った通常の給与があるかないか、また、前月の給与の10倍を超えるか否かによって、計算方法が異なります。

このページでは、前月に支払った給与があり、賞与の額が10倍を超えない場合の給与計算について、計算例を使って説明します。

前月に支払った給与がある(10倍を超えない)場合

【例】
賞与額:600,000円
甲欄、扶養:0人
賞与支給日:令和5年7月25日
事業所の所在地:東京都
介護保険第2号被保険者に該当しない場合(40歳未満)
健康保険料率10.00%、厚生年金保険料率(一般)18.300%、雇用保険料率6/1,000(労働者負担)とする。

前月の給与
支給項目基本給300,000円
通勤手当15,000円
控除項目健康保険料16,000円
厚生年金保険料29,280円
雇用保険1,890円
所得税6,640円
住民税12,000円
手取り額250,279円

賞与の計算には、前月の給与が必要になります。

※計算に使用する社会保険料率等は、令和5年9月現在のものです。
計算には賞与支給時の料率等をご参照ください。
都道府県毎の社会保険料額表については、こちら
各年度の雇用保険料率については、こちら

 

まず、社会保険料の額から求めます。

① 健康保険料の額

賞与額600,00円(千円未満の端数切捨)に、東京都の健康保険の料率10.00%の1/2(労働者負担分)である5.00%(労使折半)を乗じます。

600,000×5.00%=30,000円

端数が50銭以下の場合は切り捨て、50銭を超える場合は切り上げて1円にします。

 

② 厚生年金保険料の額

賞与額600,00円(千円未満の端数切捨)に、厚生年金保険の料率18.3%の1/2(労働者負担分)である9.15%(労使折半)を乗じます。

600,000円×9.15%=54,900

端数が50銭以下の場合は切り捨て、50銭を超える場合は切り上げて1円にします。

 

③ 雇用保険料の額

賞与額600,00円に雇用保険の料率6/1000を乗じます。

600,000円×6/1000=3,600円(円未満切捨)

 

次に、賞与に対する源泉所得税の金額を求めますが、ここで前月の給与の金額が必要になります。

④ 前月の社会保険料控除後の給与金額を求める

前月の給与の額(通勤手当等の非課税支給額を除く)から、その給与から控除される社会保険料の金額を控除します。

前月の給与300,000円 -(健康保険16,000円 + 厚生年金29,280円 + 雇用保険1,890円)= 252,830

源泉所得税および住民税は控除しませんので、ご注意ください。

 

⑤ 賞与の金額に乗ずべき率を求める

④で算出した金額を「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」(国税庁サイトからダウンロード可能)に当てはめます。

甲欄で扶養0人ですので、252千円以上300千円未満の行に該当します。その行と「賞与の金額に乗ずべき率」欄との交わるところに記載されている率を求めると、6.126%となります。

 

⑥ 賞与に対する源泉所得税の金額を求める

賞与の額から算出した社会保険料の金額を控除し、それに⑤で求めた「賞与の金額に乗ずべき率」を乗じます。

賞与600,000円 -(健康保険30,000円 + 厚生年金54,900円 + 雇用保険3,600円)×6.126% = 31,334(円未満切捨)

 

⑦ 控除項目を引いて手取りを求める

以上、賞与から控除する社会保険料および源泉所得税の金額が算出できましたので、賞与額から控除額を差し引けば、手取り額を求めることが出来ます。

賞与
支給項目賞与600,000円
控除項目健康保険料①30,000円
厚生年金保険料②54,900円
雇用保険③3,600円
所得税⑥31,334円
手取り額480,166円