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住民税を自分で納付する「普通徴収」にしたいとき

住民税は、給与支払者(事業者)が給与所得者(従業員)の毎月の給与から住民税を差し引いて納付することになっています。これを特別徴収といいますが、事業者からみれば事務効率の観点から、また従業員の中には副業がバレてしまうため自分で納付する普通徴収にしたいという方も多くみられます。

では、どのような場合に普通徴収にすることができるのでしょうか。

原則は特別徴収

地方税法では、所得税を源泉徴収して国に納付する義務がある事業者は、原則として、従業員の個人住民税を特別徴収しなければならないことになっています。また、アルバイト・パートや非常勤であることにかかわらず、4月1日現在在職している給与所得者は全員特別徴収の対象となります。

つまり、要件に該当するすべての事業者が特別徴収義務者として指定されていますので、従業員の希望により個々に徴収方法を選択することは認められていません。

ただし、下記のような場合は普通徴収にすることができます。

普通徴収になる基準

原則として、事業所は従業員の個人住民税を特別徴収しなければなりませんが、次のような理由がある場合には、普通徴収とすることが認められています。

【普通徴収の基準】

  • その事業所で特別徴収する全従業員数が2人以下
  • 他の事業所で支給される給与から、特別徴収をする方(乙欄)
  • 給与が少額で、住民税が引けない方(具体的には、年間の給与支給額が100万円以下)
  • 給与の支払が毎月でないなど、給与の支払が不定期な方
  • 個人事業主の事業専従者で、専従者給与を受けている方
  • 退職者又は5月31日までに退職予定の方及び休職者

上記の理由に当てはまらない従業員については、普通徴収にすることはできません。残念ながら「手間がかかるから」「副業をしていることが他の会社でバレたくない」などの理由だけで、普通徴収にすることは認められていないのです。

 

どうやって市町村は判断するのか

事業所は、毎年1月末日までに従業員が居住する市町村へ「給与支払報告書」を提出します。この「給与支払報告書」に、普通徴収にする場合の理由区分を記載することで、個人別に特別徴収か普通徴収かを判断しています。その後、各市町村が個人の住民税額を計算し、特別徴収の場合は事業所宛てに、普通徴収の場合は各個人宛てに、納付書を送付する仕組みになっています。

特別徴収できるにもかかわらず普通徴収を選択すると、市町村の担当者から問い合わせがあり、正当な理由がなければ普通徴収が認められない場合があります。