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レジ袋有料化による売上管理方法と会計処理(仕訳・消費税の取扱い)

2020年7月1日より全国一律でレジ袋(プラスチック製買物袋)の有料化が開始され、対象事業者は消費者にレジ袋を提供する際は代金を徴収する義務があります。

レジ袋の勘定科目と消費税の取扱い

勘定科目

レジ袋を提供した際の代金の勘定科目は、「売上高」になります。

消費税の取扱い

レジ袋を有償で提供することは、対価を得て行われる資産の譲渡等に該当しますので、消費税の課税対象になります。中に入れる物が軽減税率(8%)対象の食料品等であっても、レジ袋の売上は標準税率が適用されるため、10%の消費税が課されます。

 

仕訳例(通常の売上と区別しない場合)

通常の売上とレジ袋の代金を区別しない場合は、レジ袋代金も合算して売上高に計上します。

例)食料品10,800円を売り上げ、その際にレジ袋2枚を10円で提供した。

売上高は、10,800+10=10,810円となります。

借方金額貸方金額
現金10,810商品売上高10,810

この方法は、レジ袋の売上代金を把握しないため事務的には簡便ですが、次のような問題点があります。

  • 課税事業者の場合、食料品など軽減税率(8%)が適用されるものの売上があるときは、消費税額が正しく計算できない。
  • レジ袋売上の金額が膨大になると正確な原価率計算を行うことができない。

そこで、通常の売上と区別して、次のようなレジ袋の売上代金を把握する方法がとられます。

仕訳例(通常の売上と区別する場合)

レジ袋を有料で提供する場合、中に入れる物にかかわらずレジ袋の売上は標準税率が適用されるため、10%の消費税が課されます。したがって、食料品など軽減税率(8%)が適用される売上がある課税事業者は、区別して課税売上額を把握しなければなりません。

また、原価率を正確に計算したい場合にも、勘定科目を分けるなど区別して計上する必要があります。そこで、次の2通りの方法を紹介します。

売上の都度、売上枚数を把握する方法

商品などを売上げたときに、提供したレジ袋の金額をその都度計上する方法があります。

例)食料品(軽減税率適用)10,800円を売り上げ、その際にレジ袋2枚を10円で提供した。

借方金額貸方金額備考
現金10,810商品売上高10,8008%課税売上
レジ袋売上高1010%課税売上

 

在庫管理によって売上枚数を把握する方法

レジ袋の代金を含めた売上管理を行う場合には、レジ袋の在庫管理(棚卸)を行うことで、レジ袋の売上を把握する方法もあります。

1日ごと、1月ごと、1課税期間ごとなど一定の期間を設けて、レジ袋の在庫管理を行います。(期首残存枚数)+(仕入れ枚数)-(期末残存枚数)を計算することによって、その期間の売上枚数を割り出すことができます。さらにこの売上枚数に1枚当たりの売価を乗じることで、レジ袋の売上を把握することができます。

レジ袋売上高=(期首残存枚数+仕入れ枚数-期末残存枚数)×1枚当たりの売価

【売上時】

例)当期間のレジ袋代金を含めた売上(軽減税率適用の食料品売上)は3,244,900円だった。

借方金額貸方金額
現金3,244,900商品売上高3,244,900

この仕訳の「商品売上高」は、商品代金とレジ袋代金が混合してしまうことになります。そこで、在庫の締日に次の仕訳をきる必要があります。

【在庫締日】

例)締日におけるレジ袋の在庫状況は、期首在庫枚数80枚、期中仕入枚数1000、期末在庫枚数100枚であった。レジ袋の売価は1枚当たり5円である。

期中売上枚数:期首80+仕入1,000-期末100=980枚
期中レジ袋売上高:980枚×5円=4,900円

借方金額貸方金額備考
商品売上高4,900レジ袋売上高4,90010%課税売上

当期間に売り上げたレジ袋代金を計算し、商品売上高と相殺します。したがって、商品売上高は、3,244,900-4,900=3,240,000円と算出することができます。

【残高試算表】

借方残高勘定科目貸方残高消費税
3,244,900現金
商品売上高3,240,000(8%課税売上)
レジ袋売上高4,900(10%課税売上)

 

レジ袋の有料義務化についての詳しい説明はこちらのページをご覧ください。

レジ袋有料義務化の対象事業者・対象レジ袋・価格設定・罰則
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