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調整対象固定資産の範囲と100万円の判定

課税売上割合が大きく変動した場合やその用途を変更した場合には、調整対象固定資産について、3年間に限り仕入に係る消費税額を調整することとしています。

この仕入税額控除の調整の対象となる調整対象固定資産は、どのような資産が対象となり、金額はどのように判定するのでしょうか?

調整対象固定資産の定義

「調整対象固定資産」とは、

棚卸資産以外の資産で、建物及びその附属設備、構築物、機械及び装置、船舶、航空機、車両及び運搬具、工具、器具及び備品、鉱業権その他の資産で、一の取引単位の価額(消費税及び地方消費税に相当する額を除いた価額)が100万円以上のもの

と定義されています。

 

調整対象資産の範囲

調整対象固定資産となりうる資産の範囲は、具体的に次のようなものがあります。

有形固定資産建物、建物付属設備、構築物、機械及び装置、車両及び運搬具、器具及び備品
無形固定資産特許権、実用新案権、意匠権、商標権など
生物牛、りんご樹など
その他ゴルフ場利用株式等、著作権等、ソフトウェアの購入費用など
資本的支出建物の増改築費用など

・土地などの非課税資産や棚卸資産は、調整対象固定資産に該当しません。
・調整対象固定資産に該当しない資産(非課税資産など)に係る資本的支出については、調整対象となりません。

調整対象固定資産の金額の判定

調整対象固定資産となりうる資産の一取引単位の金額が100万円以上の場合、調整対象固定資産に該当することになります。金額判定の計算式は次のとおりです。

国内における課税仕入れ

課税仕入れに係る支払対価の額×100/108≧100万円

100万円の判定は、税抜価額で行います。

国内における特定課税仕入れ

特定課税仕入れに係る支払対価の額≧100万円

平成27年10月1日以降、国内において行った特定課税仕入れに係る資産について調整固定資産の判定にあたり、特定課税仕入れに係る支払対価の額には消費税等は含まれないため、税抜処理を行う必要はありません。

 

課税貨物の引取り

保税地域から引き取られる課税貨物の課税標準である金額=CIF価格+消費税以外の消費税等+関税≧100万円

 

注意点

・調整対象固定資産に該当するかどうかの判定は、通常1単位として取引される単位ごとに判定します。

【例】
機械及び装置・・・1台、1基ごと
工具、器具、備品・・・1個、1組、1揃いごと

・固定資産の取得価額に資産の購入のために要する引取運賃、荷役費等の付随費用が含まれている場合は、付随費用を除いた固定資産の本体価格のみで判定します。