養老保険とは、満期前に被保険者が死亡したとき死亡保険金が支払われ、死亡していなくても満期を迎えたとき満期保険金(生存保険金)が支払われる一定の保険期間が定められた生命保険(死亡保険)です。必ず保険金が支払われますので、高い貯蓄性のあるいわゆる「積立保険」と言えます。
養老保険の経理処理
保険の契約者が法人の養老保険の税務上の取扱いは、保険金の受取人が誰になるのかによって異なります。
死亡保険金と満期保険金の受取人が法人の場合
死亡保険金と満期保険金の受取人が両方法人になっている場合、法人が支払った保険料は、保険事故の発生や保険契約の終了時まで損金の額に算入されず、保険積立金として全額を資産に計上する必要があります。
死亡保険金と満期保険金の受取人が被保険者(遺族)の場合
死亡保険金と満期保険金の受取人が両方とも被保険者(遺族)の場合は、法人が支払った保険料は、その役員や従業員に対する給与となります。
なお、被保険者となっている役員や従業員には給与所得として所得税が課税され、また給与とされた保険料は、その役員や従業員の生命保険料控除の対象となります。
死亡保険金の受取人が被保険者の遺族で、満期保険金の受取人が法人の場合
死亡保険金の受取人が被保険者の遺族で、満期保険金の受取人が法人の場合は、法人が支払った保険料の1/2を保険料積立金として資産計上し、支払った保険料の1/2を損金の額に算入する必要があります。
ただし、特定の一部の役員や従業員を被保険者とする場合は、支払った保険料の1/2がその役員や従業員に対する給与となり、所得税が課税されます。
まとめ
養老保険に係る保険料の経理処理はそれぞれの区分にわけ、次のように取り扱われます。
被保険者 | 死亡保険金受取人 | 満期保険金受取人 | 経理処理 |
---|---|---|---|
役員・従業員 | 法人 | 法人 | 全額資産計上 |
役員・従業員 | 被保険者の遺族 | 被保険者 | 全額給与計上 |
役員・従業員 | 被保険者の遺族 | 法人 | 1/2資産計上 1/2損金算入 |
特定の役員・従業員 | 被保険者の遺族 | 法人 | 1/2資産計上 1/2給与計上 |
定期付養老保険については、こちらをご覧ください。
定期付養老保険の経理処理と税務上の取扱い
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