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雇用保険の失業手当は1日当たりいくらもらえる?基本手当日額の計算方法

失業した方が、安定した生活を送りつつ次の就職活動を支援するための給付として雇用保険の「失業等給付」があります。収入がない間、再就職先が決まるまで失業手当がいくらもらえるのか、あらかじめ調べておくことが大切です。

このページでは、1日当たり支給される失業等給付の求め方について説明します。

 

1日当たりに支給される失業保険の金額

失業の認定を受けた求職者に対して支給される1日当たりの給付金額を「基本手当日額」といいます。

 

大まかにいえば、基本手当日額は原則として「離職直前6ヶ月に支払われた賃金の合計金額を180で割った金額の80%~45%」になります。

 

$$基本手当日額=\frac{離職前最後の6ヶ月間の賃金総額}{180}×80%~45%$$

 

「離職直前6ヶ月に支払われた賃金の合計金額を180で割った金額」を賃金日額といい、「80%~45%」の割合を給付率といいます。

正式な用語に置き換えると次の算式になります。

 

$$基本手当日額=賃金日額×給付率$$

$$※1円未満切り捨て$$

 

では、次に具体的に賃金日額の計算方法と給付率をくわしく説明します。

 

(1)賃金日額の計算方法

①算定の原則

基本手当日額を計算するためには、まず賃金日額を求めます。

賃金日額は、原則として次の算式で計算されます。

 

$$賃金日額=\frac{離職前最後の6ヶ月間の賃金総額}{180}$$

 

※離職前最後の6ヶ月間とは、離職日以前2年間(倒産・解雇等により離職した者、特定理由離職者については1年間)において雇用保険の被保険者期間として計算された期間です。

 

賃金に含めるもの・含めないもの

ここで賃金総額に含める賃金として、会社から支払われる給与でも雇用保険の上では賃金とされないものがあります。

離職前最後の6ヶ月間の給与総額のうちに、下表の「賃金となるもの」を含め、「賃金とならないもの」は除かれます。

賃金となるもの 賃金とならないもの
基本給

残業手当、深夜手当、休日手当、宿直・日直手当

扶養手当、家族手当

通勤手当、通勤定期券

住宅手当

単身赴任手当

精勤手当、皆勤手当

休業手当

年次有給休暇日の給与

食事、被服、住居の利益

年4回以上支給される給与

など

臨時に支払われる賃金

3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金

(年3回以下支給される賞与)

チップ

出張旅費、宿泊費、赴任手当

災害見舞金、療養見舞金、傷病見舞金

結婚祝金、死亡弔慰金、出産見舞金

離職後に決定された給与(昇給含む)及び賞与

休業補償費

出産手当金、傷病手当金

解雇予告手当

退職金

など

 

②日給・時給等の場合の最低保証額の算式

給与が日給や時給制のアルバイトやパートなどの場合、180で割ると極端に賃金日額が低くなってしまう場合があります。そのため、日給や時給等の場合は最低保証額が設定されています。

(1)の原則的な算式により求めた賃金日額が、次の算式で算出した額より少ない場合は次の算式により計算した金額になります。

 

【賃金の全部が日給・時給制等の場合】

$$賃金日額=\frac{離職前最後の6ヶ月間の賃金総額}{離職前最後の6ヶ月間の労働日数}×70%$$

 

また、賃金の一部が月給制や週給制で支払われている場合は、日給・時給制等の部分についてのみ70%の最低保証が適用されます。

 

【賃金の一部が日給・時給制等の場合】

$$賃金日額=\frac{離職前最後の6ヶ月間の月給・週給等の総額}{離職前最後の6ヶ月間の総日数(1ヶ月を30日として計算)}+\frac{離職前最後の6ヶ月間の日給・時給等の総額}{離職前最後の6ヶ月間の労働日数}×70%$$

 

最低・最高限度額

賃金日額には、最低限度額と最高限度額が定められています。

上記で求めた「①算定の原則」または「②日給・時給等の場合の最低保証額」の金額が、離職日の年齢別に最高限度額以上の場合は下の表の最高限度額となり、最低限度額以下の場合は年齢にかかわらず最低限度額となります。

(令和5年8月1日~)

離職日の年齢 最高限度額 最低限度額
30歳未満 13,890円 2,746円
30歳以上45歳未満 15,430円
45歳以上60歳未満 16,980円
60歳以上65歳未満 16,210円

 

(2)給付率

賃金日額に乗じる給付率は、離職日の年齢や賃金日額の金額によって変わります。

 

【離職日において60歳未満である受給資格者】

賃金日額の範囲(w円) 給付率
2,746円以上5,110円未満 80%
5,110円以上12,580円以下 50%~80%(賃金日額の逓増に応じて逓減した率※1)
12,580円超 50%

 

【離職日において60歳以上65歳未満である受給資格者】

賃金日額の範囲 給付率
2,746円以上5,110円未満 80%
5,110円以上11,300円以下 45%~80%(賃金日額の逓増に応じて逓減した率※2)
11,300円超 45%

 

※1)0.8w-0.3{(w-5,110)/7,470}w

※2)0.8w-0.35{(w-5,110)/6,190}w,y=0.05w+4,520のいずれか低い方の額

 

基本手当日額

(1)賃金日額と(2)給付率が求められたところで、冒頭の算式により1日当たりの基本手当日額を計算することができます。

 

$$基本手当日額=賃金日額×給付率$$

$$※1円未満切り捨て$$

 

基本手当日額の上限額・下限額

なお、賃金日額に上限・下限があることから、基本手当日額の上限額と下限額は、年齢別に次のとおりとなります。

(賃金日額の最高限度額・最低限度額にそれぞれの年齢に応じる給付率を乗じたもの)

離職日の年齢 基本手当日額の上限額 基本手当日額の下限額
30歳未満 6,945円 2,196円
30歳以上45歳未満 7,715円
45歳以上60歳未満 8,490円
60歳以上65歳未満 7,294円

 

例えば50歳の方がもらえる基本手当日額は、8,490円が上限となります。