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キャンセル料・解約手数料の会計処理(勘定科目・仕訳・消費税の取扱い)

消費税の取扱い

損害賠償金としてのキャンセル料・違約金

予約の取消しや変更にともなって発生するキャンセル料や解約損害金等は、逸失利益などに対する損害賠償の意味を持つものであり対価性がないため、消費税の課税の対象となりません。(不課税取引)

【例】

  • 土地売買契約の破棄に伴う違約金
  • 携帯電話回線の解約に伴う違約金
  • 旅館やホテル、飲食店の予約変更または取消に伴うキャンセル料

 

事務手数料としての解約手数料

ただし、解約手数料や取消手数料については、契約等の解約や取消しの請求に応じ事務手数料として収受するものであり、対価を得て行われる役務の提供であるため、消費税が課税されます。(課税取引)

【例】

  • 投資信託の解約に伴う解約手数料
  • レンタカーの予約取消に伴う取消手数料
  • 乗車券や航空券などチケットの払戻手数料

 

区分されていない解約金

損害賠償の性格を持つキャンセル料と事務手数料の性格を持つ解約手数料の対価が区分されずに一括で授受されている場合には、すべての金額について不課税取引とされます。

仕訳例

ホテル予約の際、宿泊料10,000円を支払ったが、その後予約をキャンセルしたことに伴い違約金として宿泊料の50%に相当するキャンセル料5,000円と取消手数料1,100円が差し引かれ、3,900円が返金された。

予約時の仕訳

借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
前渡金10,000現金預金10,000

予約時は、未だ役務の提供を受けていないため、「前渡金」に計上します。

キャンセル時の仕訳

借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
現金預金3,900前渡金10,000
雑費(不課税)5,000
支払手数料(課税)1,100

キャンセル料の5,000円は、利益を得られなかったことに対する補填の意味を持つ損害賠償金のため消費税の取扱いは不課税取引に該当し「雑費」等に計上します。取消手数料の1,100円は、事務手数料のため課税仕入れに該当し、「支払手数料」等として処理します。