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単発アルバイトなどの日雇労働者(丙欄)の条件と源泉徴収事務

業務の繁忙期のみ、日雇いでの単発アルバイトを雇うことがあります。このような日雇労働者の給与も源泉徴収の対象になるのでしょうか?

「丙欄」での源泉徴収の対象になる

たとえ1日だけの労働であっても「日雇賃金」を支払う場合には源泉徴収の対象となりますので、雇用主は支払う給与から源泉所得税を徴収し、源泉所得税を納付しなければなりません。

また、源泉徴収税額を計算する際は、給与所得の源泉徴収税額表の日額表「丙欄」を使用します。丙欄は甲欄とは違い扶養親族等の数は考慮されません。

 

日雇労働に該当する条件

まず、丙欄で計算する「日雇労働」とは次のすべての条件に当てはまる労働の形態をいいます。

雇用契約を締結していること

雇用主と被雇用者の間で雇用契約を締結するなど、両者の間に雇用関係があると認められることが要件になります。

単発の仕事を業務委託という形態で行った場合には日雇労働には該当せず、給与等の源泉徴収の対象にはなりません。ただし、業務委託のうち報酬・料金等の範囲に含まれる場合は、報酬・料金等の源泉徴収が必要になります。

雇用期間が2ヶ月以内であること

雇用契約において定められている雇用期間が2ヶ月以内であることが要件になります。

継続的に2ヶ月を超えて雇用した場合は、「丙欄」で税額を計算することはできません。

丙欄で計算しない場合

雇用した時の契約が2ヶ月以内であったとしても、業務が延長されるなど継続して2ヶ月を超えて支払うこととなった場合、その2か月を超える部分の期間から支払う給与の税額は「丙欄」で計算することはできません。給与の支払い方(月給・日給・週給)に応じて、「月額表」もしくは「日額表」のどちらに該当するか判定し、さらに「扶養控除等申告書」の提出の有無によって「甲欄」もしくは「乙欄」のどちらに該当するか判定し税額を求めることになります。

労働した日または時間によって計算し、日ごとに支払うこと

労働した日または時間によって給与が算定され、かつ、労働した日ごとに支払うことが要件になります。実際に労働した日とは別の日に支払われるものも日雇賃金に含まれます。

したがって、月給・週給・日給・日割(日雇賃金を除く)で支払うものは「丙欄」で計算することはできません。

 

源泉徴収税額がない日雇賃金

令和元年現在、丙欄の通勤手当(交通費)を除いたその日の社会保険料等控除後の給与等の金額が9,300円未満の場合は、源泉徴収税額は0円となっています。

 

「扶養控除等申告書」の提出

「丙欄」に該当する日雇労働者は、雇用主(給与の支払者)に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出する必要はありません。これは丙欄は税額の計算にあたり、扶養親族等の数が考慮されないためです。

 

「源泉徴収票」の発行

雇用形態にかかわらず日雇いや単発のアルバイトに給与を支払ったときは、雇用主(給与の支払者)は被雇用者(給与を受ける者)に対して「給与所得の源泉徴収票」を発行することが義務付けられています。

源泉徴収票は、転職先の年末調整や確定申告において、その年のすべての給与所得の額を合算して正しい所得税額を計算する上で必要なものになります。