個人事業主が地方税等で定められた業種の事業を行っている場合、「個人事業税」が課税されます。
個人事業税がかかる業種
課税対象となる法定業種は70業種あり、次のように列挙されています。
区分 | 業種 | 税率 |
第1種事業 (37業種) | 物品販売業、保険業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業 製造業、電気供給業、土石採取業、電気通信事業、運送業 運送取扱業、船舶ていけい場業、倉庫業、駐車場業、請負業 印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業 料理店業、飲食店業、周旋業、代理業、仲立業 問屋業、両替業、公衆浴場業(第3種事業以外のもの) 、演劇興行業 遊技場業、遊覧所業、商品取引業、不動産売買業、広告業 興信所業、案内業、冠婚葬祭業 | 5% |
第2種事業 (3業種) | 畜産業、水産業、薪炭製造業 | 4% |
第3種事業 (30業種) | 医業、歯科医業、薬剤師業、獣医業、弁護士業、司法書士業 行政書士業、公証人業、弁理士業、税理士業、公認会計士業 計理士業、社会保険労務士業、コンサルタント業、設計監督者業 不動産鑑定業、デザイン業、諸芸師匠業、理容業美容業 クリーニング業、公衆浴場業(銭湯)、歯科衛生士業、歯科技工士業 測量士業、土地家屋調査士業、海事代理士業、印刷製版業 | 5% |
あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復・その他の医業に類する事業 装蹄師業 | 3% |
上記の個人事業税の課税対象となる70業種のどれにも該当しない場合は、個人事業税は課税されません。
個人事業税がかからない業種
非課税となる業種は具体的に次のようなものが挙げられます。
- 農業(農作物を自分で栽培する場合のみ)
- 林業
- 鉱物採掘業
- 保険営業等の外交員
- 医療のうち社会保険診療報酬等に係る所得
- 日本国外での事業に係る所得
- 通訳業、翻訳業
- 文筆業
- 漫画家
- 画家
- 音楽家
- 作詞家、作曲家
- スポーツ選手
- 芸能人 など
ただし、以下の点に注意が必要です。
非課税の業種でも課税対象になるもの
個人事業税が課税されない業種でも内容によって課税対象となる事業部分があります。
- 農業を行う事業者が、取引先から仕入れた農作物を販売する場合は、商品取引業に該当しますので、その農作物にかかる所得部分は課税対象になります。
- 医療を行う事業者は、社会保険診療報酬等に係る所得は非課税とされていますが、自由診療に係る部分の所得は課税対象になります。
- 画家や漫画家などの芸術家が、イラストレーターとしての仕事を行った場合はデザイン業に該当しますので、イラストレーター部分の所得は、課税対象になります。
課税対象の業種のうち非課税となるもの
逆に個人事業税が課税される業種でも内容によって課税対象とならない事業部分があります。
- 弁護士や税理士などが本の出版のため執筆を行った場合には、執筆に係る所得は非課税となります。
この場合、確定申告の際に「所得税確定申告書第二表」において「住民税・事業税に関する事項」枠の「非課税所得など」欄に、非課税になる部分の所得金額を記入することで、その部分の所得については、個人事業税が課税されないことになります。