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雑所得とは?所得金額と課税方法

2019.08.25

所得税は、個人が得た所得を10種類に区分して、その所得の態様や性質を考慮しそれぞれに見合った税金の計算をすることとしています。

10種類に区分した所得のうち、雑所得について説明します。

  1. 雑所得とは
    1. 公的年金等
    2. 公的年金等以外
      1. その所得本来の性質上雑所得とされるもの
      2. 事業から生じたと認められない所得で雑所得とされるもの
  2. 所得金額の計算
  3. 雑所得の課税方法

雑所得とは

雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得の他の9つの所得のいずれにも該当しない所得をいいます。

雑所得は、所得金額の計算上、所得を「公的年金等」と「公的年金等以外」の2つに区分され、具体的には次のような所得が含まれます。

公的年金等

  • 国民年金法、厚生年金保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法、独立行政法人農業者年金基金法の規定に基づく年金など
  • 自社退職年金、一時恩給以外の恩給、過去の勤務に基づき勤務先から支給される年金
  • 確定給付企業年金法の規定に基づいて支給される年金など

公的年金等以外

その所得本来の性質上雑所得とされるもの

  • 法人の役員等の社内預金の利子
  • 友人に対する貸付金の利子
  • 抵当証券の利息
  • 外貨預金に係る為替差損益
  • 学校債、組合債等の利子
  • 割引債の償還差益
  • 利付債の発行差金
  • 定期積金に係る契約等の給付補填金
  • 人格のない社団等から受ける収益の分配金(精算分配金等を除く)
  • 株主優待招待券など株主等が受ける経済的利益で配当所得とされないもの
  • 生命保険契約等に基づく年金、損害保険契約等に基づく年金
  • 還付加算金

事業から生じたと認められない所得で雑所得とされるもの

  • 動産の貸付けによる所得
  • 金銭の貸付けによる所得
  • 工業所有権(特許権等)著作権等の使用料に係る所得
  • 作家等以外の者が支払を受ける原稿料、講演料、印税などに係る所得
  • 不動産の継続的売買による所得
  • 所有期間が5年以内の山林の伐採又は譲渡による所得
  • 競走馬の保有に係る所得

所得金額の計算

雑所得の金額は、公的年金等に係る雑所得とその他の雑所得に分けて、それぞれの所得金額を合計して計算します。公的年金等に係る雑所得の金額は、年金収入から公的年金控除額を差し引いて計算しますが、その他の雑所得は、総収入金額から必要経費を差し引いて計算します。年金収入については、高齢者の生活費として、支給されるものであり、税負担を軽くする必要があるため、他の雑所得とは異なる方法で計算することとしています。

① 公的年金等に係る雑所得の所得金額 = 収入金額 - 公的年金等控除額

② 公的年金等以外に係る雑所得の所得金額 = 総収入金額 - 必要経費

③ 所得金額 = ① + ②

「公的年金等の収入金額」は、源泉徴収がされている場合には、源泉所得税徴収前の金額を収入金額とします。

「公的年金等控除額」は、受給者の年齢、年金の収入金額に応じて、次の速算表によって求めます。

公的年金等の収入金額公的年金等控除額
65歳未満1,300,000円以下700,000円
1,300,000円超 4,100,000円以下収入金額×25%+375,000円
4,100,000円超 7,700,000円以下収入金額×15%+785,000円
7,700,000円超収入金額×5%+1,555,000円
65歳以上3,300,000円以下1,200,000円
3,300,000円超 4,100,000円以下収入金額×25%+375,000円
4,100,000円超 7,700,000円以下収入金額×15%+785,000円
7,700,000円超収入金額×5%+1,555,000円

 

雑所得の課税方法

雑所得は、他の所得と合計して税額の計算をする「総合課税」となりますので、確定申告が必要です。年金などの支払いを受ける際に源泉徴収(天引き)された所得税は、確定申告によって精算されることになります。

ただし、次の所得は「源泉分離課税」となりますので、確定申告は不要です。

  • 定期積金等の給付補填金
  • 抵当証券の利息
  • 金投資(貯蓄)口座の利益
  • 為替予約を付した外貨預金に係る為替差益
  • 割引債の償還差
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  1. 雑所得とは
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      1. その所得本来の性質上雑所得とされるもの
      2. 事業から生じたと認められない所得で雑所得とされるもの
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