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中小法人の交際費(接待飲食費)50%損金算入と定額控除限度額の有利選択

2019.08.25

法人が支出する交際費は、原則として損金の額に算入されませんが、特例として平成26年4月1日以後に開始する事業年度からすべての法人において、交際費等のうち接待飲食費の額の50/100に相当する金額を損金の額に算入することができるようになりました。

  1. 中小法人の有利選択
  2. 交際費等損金算入の計算イメージ
  3. 事業年度が1年未満の定額控除限度額
  4. 有利選択の基準
    1. 接待飲食費50%損金算入の特例が有利になる場合
    2. 定額控除限度額の特例が有利になる場合

中小法人の有利選択

さらに、中小法人においては、「接待飲食費の額の50%損金算入額」と「定額控除限度額800万円までの損金算入額」のいずれか有利な方を選択適用することができます。

※中小法人とは、期末資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人で、期末資本金額または出資金額が5億円以上の法人の子会社を除きます。

 

交際費等損金算入の計算イメージ

対象法人1人あたり5千円
以下の飲食費
接待飲食費その他の飲食費
・社内飲食費
その他の交際費
中小法人
以外の法人
損金算入接待飲食費
50%損金算入
損金不算入
中小法人
(選択適用)
損金算入接待飲食費
50%損金算入
損金不算入
定額控除限度額
800万円
損金不算入

事業年度が1年未満の定額控除限度額

定額控除限度額は、次の金額に事業年度の月数を乗じて12で除して計算した金額となります。

平成25年4月1日以後に開始する事業年度・・・800万円
平成25年3月31日以前に開始した事業年度・・・600万円
平成21年4月1日前に終了した事業年度・・・400万円

 

有利選択の基準

接待飲食費50%損金算入の特例が有利になる場合

【例】交際費等2,600万円の内訳

  • 接待飲食費1,800万円
  • その他の飲食費・社内飲食費500万円
  • その他の交際費300万円

①接待飲食費50%損金算入の特例を適用した場合

損金不算入額=交際費等2,600万円-接待飲食費1,800万円×50/100=1,700万円

②定額控除限度額を適用した場合

損金不算入額=交際費等2,600万円-定額控除限度額800万円=1,800万円

有利選択接待飲食費
1,800万円
その他の飲食費
500万円
その他の交際費
300万円
①飲食費の特例50%損金算入
900万円
損金不算入
1,700万円
②定額控除限度額定額控除限度額
800万円
損金不算入
1,800万円

したがって、②接待飲食費50%損金算入の特例を適用した方が有利になります。

※中小法人で接待飲食費が1,600万円を超えることはあまりないとは思いますが、接待飲食費の額が1,600万円を超える場合は、接待飲食費50%損金算入の特例が有利となります。

定額控除限度額の特例が有利になる場合

【例】交際費等1,000万円の内訳

  • 接待飲食費600万円
  • その他の飲食費・社内飲食費100万円
  • その他の交際費300万円

①接待飲食費50%損金算入の特例を適用した場合

損金不算入額=交際費等1,000万円-接待飲食費600万円×50/100=700万円

②定額控除限度額を適用した場合

損金不算入額=交際費等1,000万円-定額控除限度額800万円=200万円

有利選択接待飲食費
600万円
その他の飲食費
100万円
その他の交際費
300万円
①飲食費の特例50%損金算入
300万円
損金不算入
700万円
②定額控除限度額定額控除限度額
800万円
損金不算入
200万円

したがって、②定額控除限度額800万円の特例を適用した方が有利になります。

※接待飲食費の額が1,600万円以下の場合は、定額控除限度額800万円の特例が有利となります。

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