※当サイトでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

休みすぎて被保険者期間が足りない?長期欠勤した場合の失業手当受給要件の緩和

失業保険(雇用保険の基本手当)をもらうには、離職日以前2年間に被保険者期間が通算して12ヶ月以上あること※が、条件のひとつとなっています。

 

※この離職日以前の2年間を「算定対象期間」といいますが、自己都合退職でも病気やけがなどの正当な理由で退職した場合には「特定理由離職者」に該当し、算定対象期間が1年とされ、その期間に通算して6ヶ月の被保険者期間があればよいことになります。

 

一定の理由で長期休職した離職者については、2年間または1年間の算定対象期間の延長措置「受給要件の緩和」を受けることができます。

 

被保険者期間の数え方

まず、被保険者期間とは、単に雇用保険の被保険者となっていた期間ではなく、離職日からさかのぼって1ヶ月ごとに区切った期間に賃金を受けた日が11日以上または賃金を受けた時間が80時間以上ある場合に、1ヶ月の被保険者期間としてカウントされます。

 

したがって、雇用保険の被保険者であった期間のうちに休職した期間が長かったり、欠勤日が多いと被保険者期間が足りない場合があります。

 

算定対象期間の延長措置

そこで、一定の理由で引き続き30日以上給与が出ない休職をした場合は、その休職の日数を算定対象期間に加算することができます。(加算後の期間は最大4年まで)(雇用保険法第13条、則第18条)

 

休業した場合の算定対象期間の延長

この「2年※1+休職した期間」のうちに12ヶ月※2の被保険者期間があれば、失業手当を受給する資格があるということになります。

※1特定理由離職者に該当する場合は、1年の算定対象期間で判定。

※2特定理由離職者に該当する場合は、6ヶ月の被保険者期間で判定。

 

・引き続き30日以上欠勤した期間が複数ある場合は、通算できます。

・欠勤した期間が30日未満の場合は、加算の対象となりません。

 

延長が認められる一定の理由とは?

受給要件の緩和が認められる理由は次のものがあります。(雇用保険に関する業務取扱要領50152)

 

① 疾病または負傷

業務上、業務外にかかわらず、休職せざるを得ない病気やけがが該当します。

 

② 事業所の休業

事業主の責めに帰すべき理由の休業は、労働基準法の規定により休業手当の支払いが行われますので、対象となりません。(休業手当が未払いの場合であっても対象外)

 

③ 出産

この場合の「出産」は、妊娠4ヶ月(85日)以上の分娩をいいます。生産、死産、人工流産を含む流産、早産も妊娠4ヶ月以上あれば、「出産」とします。産休により欠勤したと認められる期間は、通常出産予定日の6週間前の日以後、出産の翌日から8週間を経過する日までです。

 

④ 事業主の命による外国における勤務
事業主との間に雇用関係を続けたまま、業務命令で一定期間、日本の雇用保険の適用されない事業主に雇用される場合など、いわゆる海外出向が該当します。

 

⑤ 雇用継続交流採用

官民人事交流法に基づき、国の期間が行う民間企業の従業員の交流採用であって、民間企業と従業員との雇用関係を継続したまま行うものをいいます。

 

⑥ ①~⑤の理由に準ずる理由

・同盟罷業、怠業、事業所閉鎖等の争議行為

・暫定任意適用事業所(任意加入の許可を受けたものを除く。)への出向、取締役としての出向、国、都道府県、市町村等の機関へ公務員としての出向など、事業主の命による他の事業主のもとにおける勤務

・労働組合の在籍専従職員としての勤務

・親族(6親等以内の血族、配偶者及び3親等以内の姻族)、親族の配偶者の疾病、負傷等により必要とされる本人の看護

・3歳未満の子の育児

・配偶者(内縁の配偶者を含む)の海外勤務に同行するための休職

 

※引き続き30日以上給与を受けなかった場合において休業した理由を証明することができる書類(医師の証明書等)の提出が必要になる場合があります。

 

特定理由離職者はさらに要件緩和

上記の理由(病気やけが、看護など)により自己退職せざるを得なくなった場合には、さらに「特定理由離職者」に該当する可能性があり、「算定対象期間1年+休職していた期間」(最大4年)のうちに被保険者期間が6ヶ月あればよいことになります。かなり受給要件が緩和されることになりますので、自己都合退職で被保険者期間が少なくても、「特定理由離職者」に該当するか否か、被保険者期間要件の緩和に該当するか否かによって退職後の失業保険の受給の決定に大きくかかわってきます。

 

「休職期間が長く、被保険者期間の要件を満たさない」と失業保険の受給を諦める前に、ご自身が要件の緩和の条件に当てはまるか確認しましょう。