社会保険(厚生年金・健康保険)の加入義務【強制適用事業者と任意適用事業者の違い】

適用事業所とは

社会保険(厚生年金保険と健康保険)の適用を受ける事業所を適用事業者といいます。厚生年金保険と健康保険の加入要件はほぼ同じですので、原則として両方同時に加入することになります。

また、社会保険は事業所単位で適用されることになります。例えば、会社の事務を行う本社建物と工場の建物が同じ敷地内に別々に設置されている場合は1つの事業所としてみなされますが、本社建物と離れた地に工場が存在している場合には、本社と工場はそれぞれ別の事業所として取り扱われます。さらに同じ敷地内であっても関連のない事業が併存している場合には、それぞれ別の事業所として取り扱います。

適用事業者には、次の2種類があります。

  • 強制適用事業所・・・法律によって加入が義務づけられている事業所
  • 任意適用事業所・・・加入義務の要件を満たしていなくても任意で加入できる事業所

強制適用事業者と任意適用事業者の要件の違いについて詳しく説明します。

 

強制適用事業所の要件

強制適用事業所は、法律によって強制的に加入が義務づけられる事業所をいいます。強制適用事業所に該当するか否かは、法人か個人事業主かによって要件が異なります。

法人の場合

業種・従業員の人数を問わず、すべての事業所において強制加入となります。例え、役員(社長)1人の会社であっても社会保険の適用を受けることになります。

個人事業主の場合

下記の適用業種で、かつ常時5人以上の従業員を使用する事業所は、強制的に加入となります。

【適用業種】
製造業、土木建築業、鉱業、電気ガス事業、運送業、清掃業、物品販売業、金融保険業、保管賃貸業、媒介周旋業、集金案内広告業、教育研究調査業、医療保健業、通信報道業など

農林水産業、サービス業、理容美容業、法務、宗教などの業種は非適用業種となりますので、常時5人以上の従業員を使用する事業所であっても強制加入とはなりません。

任意適用事業所の要件

任意適用事業所は、強制適用事業所以外の事業所であり、加入義務の要件を満たしていなくても厚生労働大臣の認可を受けて任意で加入することができる事業所をいいます。

法人はすべての事業所において強制加入ですので、次の個人事業主が対象となります。

  • 業種を問わず、常時5人未満の従業員を使用する個人の事業所
  • 非適用業種で、常時5人以上の従業員を使用する個人の事業所
    【非適用業種】
    農林業、水産業、畜産業、理容・美容業、興行業、旅館業、飲食業、接客娯楽業、法務業、宗教事業

詳しい要件や手続きについてはこちらのページをご覧ください。

厚生年金・健康保険の強制適用とならない事業所が任意で社会保険に加入したいとき
次の個人事業主は、社会保険(厚生年金保険および健康保険)への強制的な加入義務はありません。 業種を問わず、常時5人未満の従業員を使用する個人の事業所 非適用業種で、常時5人以上の従業員を使用する個人の事業所 【非適用業種】...

また、任意適用事業所は、社会保険に加入した後その適用をやめたいときは、一定の要件を満たす場合に限り、厚生労働大臣の認可を受けて適用事業所を脱退することができます。詳しくはこちらのページをご覧ください。

厚生年金・健康保険の任意適用事業所をやめたいとき
社会保険(厚生年金保険および健康保険)に任意で加入していた任意適用事業所は、一定の要件を満たす場合に厚生労働大臣の認可を受けて適用事業所を脱退することができます。 なお、任意適用事業所は、厚生年金保険または健康保険のどちらか一方の適用...

 

まとめ

【強制適用事業所と任意適用事業所の比較】

適用業種
製造業、土木建築業、運送業、物品販売業など
非適用業種
農林水産業、サービス業、法務、宗教など
法人個人法人個人
常時5人以上強制強制強制任意
常時5人未満強制任意強制任意