離職証明書とは、従業員が離職票を請求できるようにするために交付する書類です。
従業員が退職し離職票の交付を求められた場合、事業主は雇用保険被保険者離職証明書をハローワークに提出する必要があります。
提出後、ハローワークでの手続きが終わると、失業手当等を受け取るのに必要な離職票が発行されます。
用紙の準備
離職証明書の用紙は、ハローワークで入手できます。
3枚複写の専用用紙を使用しますので、インターネットでダウンロードすることはできません。
離職証明書の様式
1枚目・・・離職証明書(事業主控)
2枚目・・・離職証明書(安定所控)
3枚目・・・離職票ー2
手続きが完了すると、1枚目の「事業主控」と3枚目の「離職票ー2」が戻ってきますので、「事業主控」は事業所にて保管し、「離職票ー2」については退職者に渡します。
離職証明書の記入例
3枚複写になってますので、1枚目の「事業主控」に記入します。
① 被保険者番号
離職者の雇用保険被保険者番号を記載します。
② 事業所番号
雇用保険適用事業者の事業所番号を記載します。
④ 離職年月日
原則として最終在職日または退職日を記載します。役員就任した場合には、役員就任日の前日となります。
⑧ 被保険者期間算定対象期間
A欄 一般被保険者等
「離職日の翌日」には、④の翌日の日付を記載します。
下の各欄には離職日から1ヶ月ずつ遡って記載していきます。被保険者期間が通算して12か月になるまで記載します。
記載欄が足りない場合には、新しい離職票の用紙を使用します。
B欄 短期雇用特例被保険者
離職日の属する月から被保険者となった日の属する月までの各月を順次遡って記載します。
⑨ ⑧の期間における賃金支払基礎日数
⑧の期間における賃金支払いの基礎となった日数を記載します。有給休暇や休業手当の対象となった日も含めます。
⑩ 賃金支払対象期間
離職日の直前の給与締日の翌日から離職日までの期間を記載し、以下遡って給与締日の翌日から給与締日までの期間を記載します。
⑪ ⑩の基礎日数
⑩の期間における賃金支払いの基礎となった日数を記載します。有給休暇や休業手当の対象となった日も含めます。
賃金締日以外の離職の場合は、⑧被保険者期間算定対象期間・⑨日数と⑩賃金支払対象期間・⑪日数は同一ではありません。
⑫ 賃金額
A欄には固定給、B欄には日給もしくは時間給による賃金額を記載します。日給・時給であっても月極めで支払われる手当等がある場合にはA欄に記載します。
ここに記載する賃金については、通勤手当も含まれます。
計欄は、A欄とB欄の合計額を記載しますが、いずれかの記載だけの場合は省略します。
ケース別の記入例については、こちらのページをご覧ください。

離職証明書を記載する時点で離職月の賃金計算ができない場合
「未計算」と記載することができます。
通勤手当等が数か月分一括支給された場合
その月数で割った額を各月に振り分けて記載します。端数が出た場合は、最後の月で調整します。
【例】交通費3ヶ月分(4~6月分)50,000円を6月にまとめて支給した
50,000円÷3ヶ月=16,666.66…円
4月 16,666円
5月 16,666円
6月 16,668円
賞与手当について
雇用保険の失業等給付の算定の基礎となる賃金について、「臨時に支払われる賃金」および「3カ月を超える期間ごとに支払われる賃金」は含まれません。したがって、年間を通じての支給回数が3回以下の賞与(夏季賞与・冬季賞与など)は賃金から除かれます。
添付書類
離職証明書の提出時に賃金額や出勤日数、離職理由などが確認できる下記の書類の添付を求められることがあります。
管轄のハローワークによっても異なりますが、離職者本人の都合による退職の場合は離職証明書に記載された賃金額・出勤日数が確認できる書類であれば基本的には問題ありません。
【添付書類の例】
- 賃金台帳
- 出勤簿
- 雇用契約書の写し(契約期間満了による退職の場合)
- 就業規則の写し(定年退職等の場合)
- 離職理由を確認できる書類(特定受給資格者・特定理由離職者に該当する場合)
- 労働基準監督署による解雇予告除外認定の写し(懲戒解雇の場合)
提出期限と提出場所
退職日(被保険者資格喪失日)の翌日から10日以内に事業所の管轄のハローワークへ提出する必要があります。